ここ2年は、王者の座をオリックス・バファローズに明け渡した。補強を進める今季のホークスに課せられるミッションは当然、リーグ制覇だ。その中で「優勝するためには何が必要か」をよく理解しているベテランの存在は大きい。

　若手時代には小久保裕紀、井口資仁、松中信彦、斉藤和巳といった先輩たちの大きな背中を見て、選手主導のチームづくりの大切さに気づかされてきた。だから大ベテランとなった今、ホークスの軸になっていくであろう後輩投手たちとの接し方や心配りには余念がない。

　もちろん、サポート役だけでなく、自身も結果にこだわる。キャンプ前には「ダメなら今年で辞める覚悟」と語気を強めて言葉を紡ぐ和田の姿が印象的だった。

自主トレで坂道ダッシュをするソフトバンク和田　©︎JIJI PRESS

　近年は肩や肘のケアに多くの時間を割いてきたが、今季は「昨シーズンよりも上」と上々のスタートを切ることができている。フィジカル、メンタルがともに充実している様子に触れると、2016年以来の2桁勝利も期待してしまう。

　42歳で迎える2023年は、もうひと花を咲かす、いや伝説的なシーズンが待っているかもしれない。

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