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羽生結弦が「甲子園優勝→プロは引退なのか?」と会見で提起…フィギュアスケートの「アマ」と「プロ」の違いって何だ?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2022/07/27 17:00
会見では「競技者としてのアスリートなのか、プロとしてのアスリートなのかという点に関しては、すごく線引きがあいまい」と語った羽生
それまでフィギュアスケート界ではプロスケーターとなるのは、第一線を退くことを意味しており、「現役引退」という表現をされることが多かった。ただ、羽生の画期的な点は、プロスケーター=第一線を退くという概念を覆したことにある。
「新たなスタートとして次のステージに向かいたい」
会見では自身のさらなる成長を誓い、挑戦することをやめない姿勢を示した。アイスショーには審判はいないし、1つのプログラムにおいてジャンプがいくつ、スピンがいくつ、といったようにルールが定められているわけではない。自由かつ広大に広がる領域で、スケーターとして新たな一歩を踏み出し、自身の成長を期して挑んでいくことになる。
羽生がプロデュースした2018年の公演
会見では今後の方向性についてこのような話もあった。
「スケートを見たことがない方々も含めて、これだったら見たいかもと思うようなショーであったり、応援してくださる方々が納得できるような場所だったり、演技だったり、そういうものを続けていきたいなって」
大会のようなフォーマットがあるわけではないから、これまでにないショーのあり方も追求できるし、羽生自身が企画や構成を手がけて公演を行うことも可能だ。
そして羽生は、そのポテンシャルをすでに示している。
2018年4月13日から15日にかけて、「武蔵野の森総合スポーツプラザ」で開催された「Continues ~with Wings~」(コンティニューズ・ウィズ・ウィングス)だ。
この公演を、羽生自身がプロデュースしていたのだ。