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スターライト・キッド「やるならとことんやってやる」 ヒールからスターダムのトップへ、人気覆面レスラーの野望「不死鳥はもう飛べない」
posted2022/07/08 17:05
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
スターライト・キッドが“闇堕ち”して1年が経った。
敗者ユニット強制移籍マッチに敗れ、スターダムの“正規軍”であるSTARSを離れることになったのが昨年6月。大江戸隊に入ると、7月から黒いマスクとコスチュームで大変貌を遂げた。
明るくて真面目な岩谷麻優の右腕“キッちゃん”からヒールユニットの司令塔へ。念願だったハイスピード王座に加えゴッデス・オブ・スターダム(タッグ)、アーティスト・オブ・スターダム(6人タッグ)のベルトも獲得。その活躍ぶりは八面六臂と言っていい。2022年上半期、スターダムのMVPにスターライト・キッドを挙げるファンは多いのではないか。
団体の顔になりつつあるキッド
今年に入りほとんどのビッグマッチでタイトル戦を行ない、3月の両国国技館2連戦では初日にタッグ王座を奪取すると2日目にはWWEから復帰した大物KAIRIとシングルマッチ。多くの団体から人気選手が集結した後楽園ホール60周年記念大会『還暦祭』では、女子の部のメインイベントで勝利を飾った。
スターダムと新日本プロレスの合同興行がアナウンスされた「ブシロード15周年記念イベント発表会」には、人気声優たちとともに壇上に。
この発表会、新日本からは棚橋弘至と“女児救出”で時の人となったグレート-O-カーンが出席した。スターダムからは“アイコン”岩谷麻優とキッド。この並びから見ても、今のキッドが“世間”に対してのアピール力がある団体の顔になっていることが分かる。
ちなみにイベントではブシロードの木谷高明会長にビンタで気合いを入れると、誕生祝いに岩谷とパイ投げ。親会社の一番偉い人にさえなんでもありなヒールっぷりを、本人も観客もスタッフも楽しんでいた。