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「絶滅危惧種」牧田和久のアンダースローは美しい…速球は130km台でも抑えられる“日本のサブマリン”の系譜とは《戦力外通告》 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/12/28 21:00

「絶滅危惧種」牧田和久のアンダースローは美しい…速球は130km台でも抑えられる“日本のサブマリン”の系譜とは《戦力外通告》<Number Web> photograph by AFLO

WBCなど国際試合でも活躍した牧田。楽天から戦力外通告を受けたが、現役続行を希望している

サブマリンの100勝投手は16人もいる。

 以後、オーバースローが主流になるが、MLBが2大リーグになってからでは、1869年生まれのビリー・ラインズという右腕がアンダースローで投げたとされる。彼は防御率1位を2回とった名投手だった。その後も常に少数ながら下手投げの投手はいた。

 しかし、実績では日本の方がはるかに上だ。NPBではサブマリンの100勝投手が16人もいる。

山田久志 284勝166敗43S 防御率3.18(阪急)
皆川睦雄 221勝139敗 防御率2.42(南海)
秋山登 193勝171敗 防御率2.60(大洋)
足立光宏 187勝153敗3S 防御率2.91(阪急)
杉浦忠 187勝106敗 防御率2.39(南海)
高橋直樹 169勝158敗13S 防御率3.32(東映・広島他)
坂井勝二 166勝186敗1S 防御率3.26(ロッテ・大洋他)
佐々木宏一郎 132勝152敗4S 防御率3.39(近鉄・南海他)
大友工 130勝57敗 防御率2.11(巨人・近鉄)
渡辺秀武 118勝100敗8S 防御率3.35(巨人・日ハム他)
松沼博久 112勝94敗1S 防御率4.03(西武)
仁科時成 110勝108敗1S 防御率4.10(ロッテ)
三沢淳 107勝106敗6S 防御率3.81(中日・日ハム)
若生忠男 105勝107敗 防御率2.81(西鉄・巨人)
山下律夫 103勝101敗16S 防御率3.64(大洋・西武他)
武智文雄  100勝137敗 防御率2.97(近鉄)

 サブマリンにもいろいろある。中には杉浦忠や高橋直樹のようにサイドスロー気味の投手もいたが、地を這うような球を投げる投手もいた。

山田久志、足立光宏、皆川睦雄。

 その極致がサブマリン最多勝の山田久志だろう。体をぐっと沈み込ませ、振り子のように前後させて、指先に魂を込めるような球を投げ込んだ。

 同時期の阪急には、足立光宏というこれまたフォームの美しいサブマリンもいた。この頃の子供たちは、さかんにアンダースローの真似をしたものだ。

 皆川睦雄は最後の30勝投手として知られるが、彼は山田や足立のようにタメを作らず、さらっとしたフォームから投げた。それはそれできれいなフォームだった。

【次ページ】 日本のサブマリンは美しい。

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