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“リアル二刀流”ドラフト候補・矢澤宏太(日体大3年)監督&コーチに聞いた「投手と野手、どっちに進むべき?」
posted2021/12/24 06:00
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
2021年、MLBを大いに沸かせた大谷翔平の「リアル二刀流」の大活躍。2022年は、それが日本の大学球界でも見られるかもしれない。
そんな期待がかかるのが日本体育大(以下、日体大)の3年生・矢澤宏太(やざわ・こうた)だ。
12月上旬に行われた侍ジャパン大学代表候補選手強化合宿。同合宿で矢澤は初日から稀有な存在感を放った。
矢澤は投手としての練習メニューをひと通り終わらせると、フリー打撃に参加。両翼99.1m、中堅122mの愛媛・松山の坊っちゃんスタジアムで柵越えの当たりを見せると、50m走では光電管による測定で5秒80を記録。柵越えの本塁打を放ったのは野手25人の中でも3人しかおらず、50m走にいたっては大学球界の猛者が揃う中での全体トップだった。
2日目の紅白戦は外野手として出場し3打数1安打。凡退した場面でも、俊足で内野手の失策を誘ったり、ドラフト上位候補に挙がる白鴎大の大型左腕・曽谷龍平の初球からスイングしライトへ大飛球を放つなどまずまずの内容だった。
3日目は先発のマウンドへ
そして3日目の紅白戦では先発のマウンドに上がり、立ち上がりから快調に飛ばした。
この日最速147キロのストレートと縦横2種類のスライダー、チェンジアップで初回から三者連続三振を奪う。続く2回は打たせて取る投球で三者凡退に抑え、1人の走者も許さない完璧な投球を見せた。
また登板前にキャッチボール相手を務めた坂口翔颯(国学院大・1年)は「矢澤さんのボールは伸びがすごいし、コースもブレませんでした」と目を丸くするなど、周囲の選手に衝撃を与えた。
投手か? 野手か?
あらためて、その議論が巻き起こりそうな代表合宿だったが、日体大で矢澤を3年間指導してきた指導陣はどう見ているのか。