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ダルビッシュがリベンジ! “ピンチに強すぎて負けない最強左腕”カーショーに投げ勝った価値をもっと称えたい
text by
間淳Jun Aida
photograph byGetty Images
posted2021/04/28 11:04
ダルビッシュとカーショー。2人の連戦はメジャー屈指のハイレベルな投手戦だった
カーショーはダルビッシュとの2度目の投げ合いでも計3イニングで走者を出したが、その際には1本の安打も許していない。5本の被安打うち、3本がソロ本塁打。試合後に「投球自体は悪くなかったが、不運にも失投をスタンドに運ばれてしまった」と振り返っている。
勝因は2つ。多彩な引き出しと……
ダルビッシュは、その難敵・カーショーとの対決を制した。勝因は多彩な引き出しと、勝負どころの投球だろう。
10種類以上の球種を操るダルビッシュは、試合中盤から球速150キロに迫る高速カットボールをアクセントに使い、ドジャースの打者を幻惑した。序盤から制球が安定しない中、前回登板とは違った配球で組み立てられる強みがある。1度目の敗戦後、次の登板に向け「頭を使って投げたい」と語っていた通りの投球だった。
そして、援護をもらった直後のイニングや、上位打線から始まるイニングではギアを上げた。打者をねじ伏せるストレートは150キロ台中盤までスピードアップ。決め球に使ったスライダーは左打者の足に当たりそうなほど鋭く変化した。
「試合前のブルペンからフォームがバラバラで、試合中もなかなか修正できなかったが、1球1球集中して投げることができた」
決して本調子ではなくても、ダルビッシュは現役最強投手に投げ勝った。対戦成績は1勝1敗の五分。“負けない男”と呼ばれる日は遠くないかもしれない。
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