2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER

「2年前のM-1は漫才師の“劣化版”で失敗した」おいでやすこがが決して“はい、どーもー”を言わない理由

posted2021/04/21 11:01

 
「2年前のM-1は漫才師の“劣化版”で失敗した」おいでやすこがが決して“はい、どーもー”を言わない理由<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

おいでやす小田(右、ツッコミ担当、42歳)とこがけん(ボケ担当、42歳)

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Keiji Ishikawa

「あれは漫才じゃない」――2020年のM-1王者が生まれると、漫才をめぐるかつてないほどの論争が巻き起こった。なぜあれほどの賛否を呼んだのか? 出場した漫才師たちのインタビューから、その答えに迫っていく。
おいでやす小田(42歳)とこがけん(42歳)、2人のピン芸人がユニットとして大会史上初の決勝進出。「あの日のかな~、それともその日のやつかな~」カラオケネタで1本目堂々の1位になり、結成2年目にして準優勝を果たした。そんな2人が“漫才師のマネ”をして失敗した過去を振り返る。(全3回の1回目/#2#3へ)

――準決勝の後、決勝進出者が発表されたとき、お二人とも夢の中にいるようなというか、しばらく呆然としていた姿がとても印象的でした。

小田 それを言うなら、今もですよ。もともとピン芸人同士で組んだコンビで、準決勝までいけたことで目標は達成していましたから。

こが ファイナリスト発表のとき、僕は絶対に自分たちの名前は呼ばれないと思っていたんです。だから、脳が追いつかず、声も出ない状態でした。今も、何だかよくわからないまま、けっこう大きな番組に出させてもらったりしていて、そういう意味では、ずっと夢の中にいる感じが続いていますね。

「寝て起きたら漫才しか残っていませんでした」誕生秘話

――それにしても、今大会、お二人に吹いた追い風は強力でした。準決勝の直前、主戦場にしていたR-1グランプリの出場資格が「芸歴10年以内」に変更になり、お二人が出場資格を失ってしまった。それで小田さんが急きょ『ワイドナショー』に出演して、松本(人志)さんにイジられたり、そのことがネットで拡散されたことによって会場の雰囲気がガラリと変わりましたよね。

小田 準々決勝までは、ちょっとアウェイというか、漫才師の大会になんでピン芸人が入っとんやみたいな空気が少なからずあった。でも、準決勝以降の追い風は、ほんまにすごくって。会場がどホームになりましたね。

――準決勝でも、決勝でも、「寝て起きたら漫才しか残っていませんでした」というつかみが破壊力抜群でした。

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