「俺がDDTの竹下だ」と胸を張って言えたとき

――客観的に見て、竹下選手にはあと何が必要だと思いますか？

秋山　まあ、経験、修羅場が必要じゃないですか。これまで、たいしてやられてないと思うんですよ。潰された経験がないっていうのが、一番足りない部分。悔しい思いをして、立ち上がるから成長できるわけだし、それなしにトップになってしまったのは、逆にかわいそうですよ。

――それでいながら、エースとしてDDTという団体もさらに高みに持っていくぐらいの活躍が期待されているわけですもんね。

秋山　25歳というあの年齢、あのキャリアでそれを背負わなきゃいけないのは、かわいそうと言えばかわいそうだけど。でも、背負える選手ってなかなかいるもんじゃないから。今は大変かもしれないけど、彼が本当の意味で団体を背負って「俺がDDTの竹下だ」って胸を張って言えたとき、ガーンと上がっていくんじゃないですか。

(C)DDT PRO-WRESTLING

秋山にとっても滑落するわけにはいかない山

――それこそ対外的にも代名詞になるような、誰に聞いても「DDTといえば竹下」と言われるようになった時、化けるのかもしれないですね。今だとやっぱり、DDTといえば高木さんの顔の方が先に思い浮かびますから。

秋山　いや、それより男色ディーノの方が存在感ありますよ。

――ディーノもそうでした（笑）。

秋山　実際「DDTと言えば男色ディーノ」っていう人は多いんですよ。男色ディーノの存在は、それくらい大きい。でも、あれだけ個性が強いディーノを上回る存在に、竹下くんはならなきゃいけないわけだから。それが十分できるだけの資質を持った選手だと思いますしね。高木さんは、そのために僕を呼んだんだと思いますよ。

――秋山超えをはたすことで、ディーノ超えもはたしてほしい、と（笑）。

秋山　でも、僕にとっても今度の11.3大田区は、DDTに来てひとつ目の大きな山なんで。そこで滑落するわけにはいかないですから。竹下くんのことが憎いわけじゃないですけど、「君のために立ちはだかって、谷に突き落とすよ」と。竹下くんはいい子だし、素直だし、トレーニングもよくするいい選手ですよ。でもね、それだけじゃあ、プロレス界では上にいけないんです。ある程度は“面倒くさい人間”にならなきゃいけない。

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