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【オリックス ドラフト1位】「佐々木朗希だわ……」80m遠投も“助走なしで”ズドン 山下舜平大のとんでもない才能 

posted2020/10/26 17:50

 
【オリックス ドラフト1位】「佐々木朗希だわ……」80m遠投も“助走なしで”ズドン 山下舜平大のとんでもない才能 <Number Web>

プロ志望高校生合同練習会。福岡大大濠・山下舜平大は150キロ3奪三振で猛アピール

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

PROFILE

 2020年ドラフト会議でオリックスに1位指名された山下舜平大選手の素質がよく分かる記事を特別に再公開します。(初出 2020年9月4日)

 福岡大大濠高・山下舜平大(しゅんぺいた)の姿を初めて見たのは、昨年の春、4月3日のことだ。

 そういう「大器」がいることは知らなかった。

 毎年、センバツをひと通り取材した後は、九州の県大会のほうへ飛ぶ。春の野っぱらに、ツクシがあっちにもニョキニョキ、こっちにもニョキニョキ……それが、春の九州の高校野球だからだ。   

 3年生のバッテリーが見たくてやって来た、福岡大大濠の試合。試合前の練習からしっかり見たくて、選手たちがキャッチボールを始めた外野の芝生のほうにスタンドを歩いて行って、目に飛び込んできたのは、小柄な左腕エースのほうじゃなかった。

佐々木朗希だわ……。

 その横で、長いリーチをぶん回している(失礼!)長身の「背番号10」だ。”逸材”は探さなくても、向こうのほうからこっちの目に飛び込んでくるものだ。

 1メートル90近くあるだろうか。長いリーチと柔らかい背中が産み出す腕の振りの運動量がすごい。ボールの進みの勢い、回転が加速していくような強烈なスピン。リリースでちょっと指のかかりが抜けて、それでもスピンがかかりっぱなしの遠投が、伸びっぱなしでスタンドを直撃して驚いた。

 佐々木朗希だわ……。

 岩手・大船渡高から現れた未完の大器。前年の夏、甲子園予選で見ていた佐々木朗希の”遠投”が、そのまま重なっていた。助走の勢いを借りず、その場で踏み込んだだけで、あり得ない勢いと距離を産み出す”奇跡”の遠投。

 その佐々木朗希が、U18候補合宿の紅白戦(昨年4月6日)で「163キロ」を投げて、一躍注目の的になる3日前の「第2の佐々木朗希現る!」だった。

「なんだ、こいつ!すげえヤツだなあ!」

 さて、8月29、30日に行われた「プロ志望高校生合同練習会」(西日本会場)。早い話が「オーディション」である。ご存じの通り、今年の高校野球は、この「春」が丸ごとなくなって、「夏」もいつもほど十分とはいえなかった。

 プロ志望の高校球児たちにあらためて、自分の能力と意欲を披露してもらい、プロ側にもそれを確認してもらおう。そんな狙いで、まず、西日本の高校球児たちを対象にした合同練習会が甲子園球場で行われた。

【次ページ】 助走なし80m……とんでもない「遠投」。

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