猛牛のささやきBACK NUMBER
西の人的補償でやってきた竹安大知。
新天地オリックスで向上した修正力。
posted2019/09/06 11:30
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kyodo News
「カルチャーショックでしたね」
オリックスで初めて練習に参加した時のことを、竹安大知はこう振り返る。
竹安は、昨年オリックスから阪神にFA移籍した西勇輝の人的補償として、今シーズンにオリックスへ加入した。阪神に入団して3年目だった昨年の12月、トレーニングの合間に、球団からの電話を受けた。
「この電話がかかってきていることが、どういうことかわかるか?」と聞かれ、「はい、なんとなく」と答えた。
西の人的補償が誰になるのかということは、他の選手たちとの間でも話題になっていた。
「周りのみんなが、『今までありがとうな』とか『あっちでも頑張れよ』とか、ふざけて言ってたんで。だから決まった時はみんな、『えー?』という感じじゃなく、『ああー』って感じだったと思います(苦笑)」
環境も違えば、雰囲気も違う。
なんとなく予想していたとはいえ、当然、複雑な思いはあった。
「やっぱり、阪神からは選ばれなかったということですから……。でも、オリックスに選んでもらった。後ろを見てもしょうがないので、やるしかないな、って感じでしたね。どこでもやることは一緒なので。野球をやるしかないので」
やることは一緒。しかし環境や雰囲気は想像以上に違っていた。
「やっていることは同じ野球なんですけど、全部が全然違う。雰囲気が一番違いますね」
まず、ウォーミングアップで面食らった。
「阪神はどちらかというと、アップではしゃべらず、1人ひとりが黙々とやるという感じだったんですけど、オリックスは元気よくというか、和気あいあいとやっている感じ。最初は、『こんなに違うんだ』ってカルチャーショックでした。チームカラーが違うし、年齢層も全然違う。オリックスに来て、(周りが)若いなーと思いましたね。最初は慣れないことが多かったですけど、慣れるとすごくやりやすいです」