ブックソムリエ ~必読!オールタイムベスト~BACK NUMBER

ウナギ研究に潜む、爽快、壮大な
冒険ドラマ。~新月の日に行われる
「合同結婚式」とは~ 

text by

馬立勝

馬立勝Masaru Madate

PROFILE

photograph bySports Graphic Number

posted2017/09/07 07:00

ウナギ研究に潜む、爽快、壮大な冒険ドラマ。~新月の日に行われる「合同結婚式」とは~<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『大洋に一粒の卵を求めて 東大研究船、ウナギ一億年の謎に挑む』塚本勝巳著 新潮文庫 630円+税

「滄海(そうかい)の一粟(いちぞく)」とウナギ博士は書いた。広大な太平洋の中での直径1.6ミリのウナギの卵探しは、海に落ちた一粒の粟を探すに等しい、との感慨がこもっている。本書は塚本勝巳先生が2009年、世界で初めて西マリアナの海山域で卵を採集するまでの軌跡を語る。


 古代ギリシャのアリストテレスは、“ウナギは泥の中から自然発生する”と記述した。卵を持った親、孵化したばかりの子が見つからなかったためだ。卵の発見の意義を問うメディアに先生は、「古代ギリシャの時代から二四〇〇年も続いてきた謎が、ついに解き明かされる」ことになる、と胸を張った。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 658文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

塚本勝巳

他競技の前後の記事

ページトップ