武豊が築き上げてきた人脈と実績。

　今回の依頼は、フランスで雇うエージェントを通してのものだった。

　このエージェントは、現地に居を構えて活動していた'01、'02年はもちろん、それ以前からもタッグを組んできた人物。

　武豊騎手には、このように世界で築き上げてきた人脈と、残してきた実績があるからこそ、思いもしないところからの驚きの騎乗依頼が舞い込んだのである。

　ちなみに、このレースの前検量の際、主催者であるフランスギャロの係員から「勝負服のデザインが届け出のあったものと違う」と日本のトップジョッキーが迫られるシーンがあった。

　結果的にフランスギャロ側のミスだったそうだが、直接、問い詰められてしまったのも、武豊騎手がユタカ・タケとして現地に馴染んでいるからこそ、だったのだろう。