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ダルも経験、締切直前の電撃移籍。
今季のMLBトレード戦線はいかに?
posted2018/07/22 07:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Kyodo News
「ミッドサマー・クラシック」と呼ばれるオールスターが終わり、メジャーのペナント争いも、いよいよ終盤戦を迎える。
その行方を大きく左右するのが、7月31日に設定されているトレード期限である。ポストシーズン進出を狙う上位球団が、前半戦の不足を補うために大規模なトレード補強を進めることが恒例となっており、今シーズンも例外なく、水面下では激しい駆け引き、交渉が着々と進められている。
実際、昨季は締め切り10分前に、ダルビッシュ有がレンジャーズからドジャースへ電撃移籍。その結果、あと一歩のところでチャンピオンリングこそ逃したものの、ワールドシリーズの舞台にコマを進めた。このほか、2011年サイ・ヤング賞の剛腕ジャスティン・バーランダーがタイガースからアストロズへ移籍。こちらは、ドジャースを撃破し、球団創設55年目にして初の世界一に輝いた。
ドジャースは強打のマチャドを獲得。
各地区で首位争いを繰り広げている球団が、「買い手」として補強に動くのは当然である。その一方で、微妙な位置に付けているチームは、「買い手」となるのか、それとも「売り手」に回るのか、シビアな選択を迫られることになる。
たとえ地区優勝が困難でも、ワイルドカードを狙うのか、または完全に方向転換して来シーズン以降を見据えた若返り策、チーム再建を進めるのか。残り試合のチーム全体の士気を左右するだけに、フロント、首脳陣は、明確な姿勢を示さなくてはならない。
オールスター終了後の7月18日、地区6連覇を目指すドジャースが、素早い動きを見せた。優勝争いから脱落したオリオールズから、強打のマニー・マチャド遊撃手を獲得。マイナー5選手とのトレードを発表した。マチャドといえば、26歳のスラッガーで3年連続30本塁打をマークしたほか、今季はすでに前半戦だけで24本塁打を放つなど、メジャー屈指の好選手として知られてきた。