プロ野球亭日乗BACK NUMBER
ビッグデータを制するのは阪神?
甲子園で高校生のデータ取り放題か。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/12/08 11:10
今夏の甲子園で1大会最多本塁打を放った中村奨成。彼のような選手が今後出た際、ビッグデータでの解析が進むのかもしれない。
もし大学野球の聖地・神宮にも導入されれば……。
そういう意味では大学野球の聖地でもある神宮球場を本拠地にするヤクルトが、いまだにトラックマンの導入に踏み切れていないのは、編成面からも不思議なところだ。
もし神宮球場に同システムがあれば、六大学や東都大学リーグに所属する選手のデータはかなり詳細に得られるはずである。また、全日本大学野球選手権や明治神宮大会に出場する地方リーグの大学や高校の選手の情報も集めることができる。
長い視点でチーム編成を考えたら、高額な投資をしても決して高い買い物ではないと思うが、まことにもったいない話である。
阪神が春と夏の甲子園大会の出場全選手の詳細データを手に初めて臨むのが2018年のドラフトとなる。そこでどんな指名が行われるのか。上位よりむしろ下位であっと驚くような指名があれば、球界のビッグデータ化が本格的にドラフトまで波及したことを意味することになる。