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伊達公子46歳、復帰戦での喜び。
「何より1ポイントが取れました!」
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byKyodo News
posted2017/05/12 12:00
これまでも伊達は困難にぶつかっては、それを乗り越えてきた。膝の回復具合も上々だ。だから、今回の復帰も……と信じたい。
どう「やりきる」のか、その道程に注目したい。
それにしても、なぜそこまでやるのか。人は口にしないまでも、そんな疑問を抱くだろう。
「やりきったという気持ちになれないので、まだやるしかない」
松山で、伊達はそう言っていた。
9年前、12年ぶりに現役復帰した伊達は、若さやパワーに満ちた新時代のテニスを敵にまわし、テクニックや精神力とのコントラストで特にオールドファンを刺激した。
今は、その稀有なキャリアをどう「やりきる」のかに興味がある。
そんな表現は、まるで“ジ・エンド”に向かうだけのようで、伊達の本意にそぐわないかもしれない。だがある意味、その「やりきる」興味を満足させるというのは非常に高いハードルでもある。
そのハードルをどう超えるのか、あるいはまったく届かないのか、予測は不可能だ。
伊達公子という人は、必ず「超えてきた」人なのだが。