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松坂世代で名球会入り一番乗り?
村田修一は2000本を打てるか。
posted2017/05/02 07:00
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
photograph by
Hideki Sugiyama
ベイスターズのルーキーだった2003年、村田修一は背番号と同じ数の25本塁打とド派手なデビューを果たす。ヒーローインタビューでも、こんな決め台詞で人気を博した。
「村田修一、弱冠22歳。まだまだ伸び盛りです!」
ある日のお立ち台では、一緒に登壇したベテランのデニー友利も「私は弱冠36歳です!」と被せて笑いを誘った。
村田はあのときのデニーと同じ、36歳になった。
「そういえばデニーさん、言ってくれてましたね。36歳はもう『弱冠』とは言えませんけど、僕はまだまだできると思ってますよ」
そして、こう続けた。
「この世代で、誰かに200勝か2000本安打を達成してほしいと思っているので……」
日米通算で投手なら200勝か250セーブ、打者なら2000本安打を達成すれば名球会への入会資格を得られる。村田は1980年度生まれで、いわゆる「松坂世代」。この世代では松坂大輔が最初の10年で141勝と飛ばしていたが、ホークス移籍後の2年間は未勝利だった。残り36勝と、今後の巻き返しは右肩の状態との相談になりそうだ。
目前まで迫っているのは、225セーブの藤川球児。抑えに固定さえされれば、1年で達成できそうな数字ではある。ただ、昨季のタイガース復帰後は3セーブと、近い将来にそれだけのセーブ機会を得られるか定かではない。
あと230本で2000本と迫ってはいるが……。
そんな中、打者として「松坂世代」初の名球会入りの可能性があるのは村田だ。4月26日時点で通算1770安打、2000安打まで残り230本となった。ジャイアンツ移籍後はシーズン毎の波が激しいものの、昨季は調子を取り戻して160本。ここ5年間の平均では133本を打っており、計算上はあと2シーズンをフルに戦えば達成できる。
しかし、前途はなんとも多難だ。昨季に本塁打と打点でチームトップを記録しながら、今季はマギーの加入でベンチスタートが続く。開幕20試合でわずか5安打と、出鼻を挫かれるかたちになってしまった。