都心のど真ん中の車道を、自分の足で駆け抜ける快感。

　残り1キロ少し、日比谷の交差点を右折しペニンシュラホテルを左に曲がる。

　おしゃれなブランド街の並木通りをびっしりと応援の人、人、人。

　トップランナーから完走ギリギリの市民ランナーまで、すべてのランナーに注がれる熱い眼差し。道路の左右を埋め尽くす熱気が胸にグッとくる。

　よく知る都心のど真ん中の車道を、自分の足で駆け抜ける快感。100万人を軽く超える、数え切れない声援から揺さぶられる気持ち。世界中から来たランナーたちとの言葉に頼らない交流。

　スタートした時は3万6千分の1。そして、ランナーと気持ちを一つにした沿道の応援を受け、百数十万分の1となった僕はフィニッシュラインを踏みしめた。