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松山英樹の仏頂面が米でもネタに。
中継で定番になった、あるフレーズ。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2017/02/08 08:00

松山英樹の仏頂面が米でもネタに。中継で定番になった、あるフレーズ。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

松山の目指す地点は果てしなく高い。だからこそ一打ごとに一喜一憂する必要はないのだ。

義理人情に篤い松山の、配慮ある発言。

 彼が回答を拒む理由には、別の事情もあるのかもしれない。松山は昨秋に開幕した今季米ツアーから、用具契約を結んでいるメーカーとは違う、他社のドライバーを握っている。トッププレーヤーのクラブ使用の動向は市場の動きにもつながり、彼の発言は何気ない一言でも大きな意味を持つ。

 松山は義理人情に篤い人間である。お世話になっているメーカーに配慮して発言を控えているのではないか、というのが第三者の想像だ。

 ただし、飛距離性能の向上を「ドライバーを替えたから」という要因だけに求めるのも安直で、松山はそういった軽率な理由付けを排除してきた。その意味では、彼の肉体面の変化も見過ごせない。

数年間で磨き上げた肉体強化とヘッドスピード。

 米ツアーでは各試合の数ホールで、各選手のクラブのヘッドスピードも計測している。松山は昨季の平均が秒速50.44mだったのに対し、今季はここまで秒速53.17mと急激な伸びを見せている。この進化は単にクラブを替えたから、という理由だけで説明できそうにない。

 2014年からタッグを組んできた飯田光輝トレーナーは「ボディスピードを、どう腕に伝えるかということを考えてきた。1年目以降、下半身と体幹を鍛えて、3年目(2016年)に下半身に負けない上半身の力を養ってきました。トレーニングをする“ベース”ができたところ」と段階的にレベルアップを図ったことを明かしつつ、2017年の展望をこう話している。

「4年目の今年は、総合的なコンディショニングを含めた鍛え方です。スピードばかりが上がって、故障をしてはいけない。筋肉だけが増えても意味がないし、彼のスイングにマッチした体作りが必要になります」

 松山はいま、肉体面でも注目を集める存在となっている。フェニックスの前週、カリフォルニアでの試合のある朝のこと。彼を見て、うなずく人物がいた。マスターズ3勝、全英オープン3勝を挙げ、テレビ解説者として来場していたニック・ファルドは、松山がパット練習をするのを眺めながら「あの太ももを見てみろよ。ジャンプして、着地した状態のままみたいだ」と笑顔で驚いていた。

【次ページ】 「成長したことを認めたら、レベルアップはない」

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