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2016年に巨人が頼った13人の外国人。
クルーズ抹消は迷走劇の最終章だ。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/10/06 18:00

2016年に巨人が頼った13人の外国人。クルーズ抹消は迷走劇の最終章だ。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

一発のあるクルーズは相手チームからすれば嫌な打者に違いない。それでも高橋巨人は、チームの規律を優先したのだ。

ボタンの掛け違いはグリエルから始まった。

 もちろんシーズンを通してセットアッパーとしてリリーフ陣を支えたマシソンや復帰後は先発陣の柱として4勝2敗、防御率2.24の成績を残したマイコラス。また二軍再調整後は日本の野球に徐々に順応してチーム2位の24本塁打を放ったギャレットはギリギリ合格点を与えられる成績だった。しかし彼らの力でチームの足りない部分を補うほどの結果を残せなかった。

「外国人で凌ぐ」という堤GMの構想は外れ、最後に待っていたのがクルーズの抹消劇だったわけである。

 思えば巨人の外国人補強は、2年前のオフにキューバ代表のユリエスキ・グリエル内野手の獲得を狙ったところから、ボタンの掛け違いは始まっていたのかもしれない。

 DeNAでわがままの目立ったグリエルのお目付役としてフレデリク・セペダ外野手との契約を更新し、ホセ・ロペス内野手を手放した。結果的にはDeNAとのグリエル争奪戦に敗れたことは痛手にはならなかったが、ロペスは新天地としてそのDeNAに移籍。今季は打率2割6分3厘ながら34本塁打、95打点と来日4年目にしてキャリアハイの成績を残し、チームのCS初進出の原動力の1人となった。

 そして巨人は8日からのCSファーストステージで、そのDeNAと対戦するのだ。

 DeNAの主砲・筒香嘉智外野手をどう抑え込むかが勝負のポイントだが、同時に対巨人戦打率3割3分、8本塁打、17打点とシーズン中に痛い目にあったロペス封じも同じくらいの焦点になる。

 巨人の生命線は……外国人選手が握っている。そのことは間違いではなかったようだ。

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