ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
山中慎介の左ストレートは今も輝く。
目指すは具志堅超えか、統一戦か。
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byTsutomu Takasu
posted2016/09/21 11:40
バンタム級で山中慎介は世界一のビッグネームである。それだけに、周囲を納得させるビッグマッチの相手選びは難しい。
「こんな形になるとは」と本人に正直に告げると……。
試合翌日、「再戦がこんな形になるとは予想していなかった」と本人に正直に告白すると、山中は「そうでしょう」と言いながら実にいい笑みを浮かべた。
「たぶんみんなそう思っていたと思うんです。だから自分で言うのもなんですけど、今回は納得できるというか、反省もありますけど、達成感のようなものがありますね」
自画自賛の勝利を成し遂げ、11度の防衛は内山高志(ワタナベ)に並び、具志堅用高の持つ国内最多記録V13に次ぐ2位となった。問題は今後、山中にどのようなステージが用意されるかだ。今後について帝拳ジムの本田明彦会長は次のように明かした。
「これだけ防衛しているわけだけど、次だれとやるかがまた問題。ボクシング人生が終わりに近づいているのは確かなわけだから、いい相手がほしいですよね」
山中は試合翌日の記者会見で次のように語った。
「記録というのは、超えたからといってその人よりも評価されるとは限らない。それよりも違うベルトがほしいですね」
いまのところ他団体王者との統一戦が実現する見通しは立っていない。なかなかライバルが見当たらない中で、モレノという好敵手は、山中の存在を十分に輝かせた。モレノとの完全決着にケリを付けた孤高のチャンピオンはライバルの出現を粘り強く待つ。