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リオの強盗発生率は日本の660倍!?
金哲彦、4度目の五輪解説を語る。
posted2016/06/03 07:00
text by
金哲彦Tetsuhiko Kin
photograph by
JMPA
マラソンや競歩に続きトライアスロンなど、リオ五輪代表が次々と発表されている。
陸上競技の代表がすべて決まるのは6月の日本選手権まで待たねばならないが、そろそろオリンピックモードにエンジンがかかってきた。
つい最近、知り合いの新聞記者が開幕直前のリオへ事前取材に行ったという。さっそく、帰国したばかりの記者氏からこんな話を聞いた。
「金さん、リオはやっぱり遠いっすねぇ~」
「そうですよね! なんたって地球の裏側ですから。飛行機で乗り継いで20時間以上でしょ?」
「それにしても、陸上競技場はちょっと不便でしたよ、タクシーで移動したけど、宿泊場所から1時間くらいかかりましたかね~」
「それと……」言いづらそうに記者はつづけた。
「スタジアム周辺は治安の悪さで有名な場所だそうです。スタジアムの外に出るのは危険なので気をつけてください」
「えっ、そうなんですか……(冷や汗)」
ちなみにブラジル大使館の情報によると、2015年度の人口10万人あたりの強盗発生件数、リオは日本の660倍……。五輪期間中の治安はもちろんしっかり守られているだろうが、油断できない数字である。
ブラジルはもちろんサッカーが最優先。
リオ五輪の開幕は8月5日、もうすぐだ。ブラジルはサッカー王国なので、サッカー優先のスタジアム事情は耳に入っていた。リオオリンピックの開会式、閉会式、そしてサッカーが行われるのはサッカー専用の「マラカナンスタジアム」だ。
一方の陸上競技は、メイン会場とは別の場所にある「ジョアン・アベランジェ・スタジアム」で行われる。ボルトよりもネイマール、国が違えば注目されるスポーツも当然違う。
私自身、解説者としての準備も整い始め、そろそろオリンピックモードに入っている。話を聞いてから考えることもいろいろあったが、郷に入れば郷に従うのみ。どんとこい!