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「オフはゆっくり」のはずだった!?
畠山健介、英国ラグビー挑戦を語る。 

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畠山健介

畠山健介Kensuke Hatakeyama

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photograph byKensuke Hatakeyama

posted2016/02/19 10:50

「オフはゆっくり」のはずだった!?畠山健介、英国ラグビー挑戦を語る。<Number Web> photograph by Kensuke Hatakeyama

ファルコンズのロッカールームで。デビュー戦となる2月12日のレスター戦では白星を飾った。日本人のプレミアシップ出場は岩渕健輔以来2人目。

自分を必要としている、という直感。

 今回の英国挑戦に際して、家族、サンゴリアスのチームメイトやエージェント、友人に相談し、自分の中でもいろいろ考えた。プレミアでプレーできる機会など、滅多にあることではない。これを逃せば、次、いつ同じような機会を得られるかわからない。

 渡英を決意するまで、時間は掛からなかった。「時間がなかった」というのもあるが、自分でも不思議なことに、いつのまにか「行く」という心構えになっていた。

 オファーのあったプレミアシップ3チームのうち、選んだのはイングランド北部のニューカッスルに本拠地を置く「ニューカッスル・ファルコンズ」。選んだ時点では最下位に甘んじているチーム。プレミアに行くからには、出場機会が多い方が良いということと、同じポジションの主力選手がケガをしたという情報も把握していた。そういう意味で、ファルコンズは僕を必要としている。そう直感し、決断した。

田中史朗「覚悟して行けよ」

 メディアにリリースする前、家族はもちろん、知人・友人たちに英国挑戦の旨を伝えた。スーパーラグビーでプレーした日本人第1号の田中史朗(フミさん)には、飲みの場で報告したところ、「あっ、そうなん」とそっけないリアクション……。しかしその翌日、仕事でフミさんと一緒になり、昨夜の冷ややかな反応とは打って変わって、真剣な眼差しでこう話してくれた。

「覚悟して行けよ。お前が(日本人選手の)評価下げたら、今後、若手がプレミアでプレーできなくなる可能性だってあんねんからな」

 ラグビーに、そして日本のラグビー界の未来に真剣に向き合い、日本という安住の地を背に海外で闘っている男からのアドバイス。一瞬、ゾクッとするような感覚の後、フミさんは「フフッ」と笑う。「まあ、お前なら大丈夫やろ」。その言葉に覚悟と自信を得た。

 チームは決まった。期間はチームの成績次第で決まる。決意と覚悟も固まった。詳しい契約条件はエージェントが交渉中。僕に必要な準備は英国ビザと国際運転免許証の申請、向こうでの生活で必要な日用品や、練習で使うラグビー用品の手配。1月、まだトップリーグの戦いが続く中、休みや空いた時間をやりくりして進めた。

【次ページ】 シーズンはまだまだ終わらない!!

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