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“結果にコミットする”プロレスラー、
M・エルガンが来日の夢を叶えた時。 

text by

井上崇宏

井上崇宏Takahiro Inoue

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photograph byEssei Hara

posted2015/09/01 11:20

“結果にコミットする”プロレスラー、M・エルガンが来日の夢を叶えた時。<Number Web> photograph by Essei Hara

初来日にして、「エルガン! エルガン! エルガン!」とG1の試合会場で割れんばかりのコールを巻き起こした。日本のプロレスファンの心を、ひと夏で鷲掴みにした久々の外国人レスラーだ。

わずかなチャンスをものにして来日を勝ち取った!

「5年前とは別人でしたね。それはお互いに別人。彼はROHで一度チャンピオンにもなっていた。とはいえ、あいかわらずガツガツ感は残っていた。全部出しですよ。試合で自分の持ってるすべてを出し切って、新日本の関係者の目に是が非でもとまってやろう――闘っていてそんな欲望をビンビンに感じましたね」

 現在、新日本が海外のあちこちに遠征をしているのは、現地ファン獲得、市場拡大の目的以外にも新しい選手の発掘という意味合いも強いという。

 ついにエルガンはこの5月の合同興行で、日本行きのチケットを勝ち得た。そして約束の地・日本でエルガンは結果にコミットしてみせた。

エルガンには日本人が好きになる要素がたくさんある。

 KUSHIDAは言う。

「風貌、体格、ファイトスタイルから石井智宏選手を彷彿させますよね。きっと石井さんのファイトスタイルを参考にしているんだろうなと感じます」

 彼には日本人が好きになる要素がたくさんある。けっしてよくはないルックス、泥くささ、苦労している感じ、いずれも親近感を持ちやすい。

 それとやっぱり日本のプロレスにリスペクトがあるのが言葉にせずとも伝わってくる。

「G1の闘い、イキイキしてましたね。やっと憧れの舞台に立てているオレ、みたいな。エルガンがここまでファンを魅了する試合をやってのけることができるとは、おそらく会社も予想できなかったんじゃないですかね……」

 あくまで結果には個人差があり、すべての方が同様な結果になるとは限りません、ということだ。

 エルガンの再来日が待たれる。

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