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<フットボーラーのパフォーマンスを支えるアミノ酸>
森重真人 「激しい試合後に欠かせないパートナー」  

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byAFLO

posted2014/06/05 11:00

<フットボーラーのパフォーマンスを支えるアミノ酸> 森重真人 「激しい試合後に欠かせないパートナー」 <Number Web> photograph by AFLO

重視するのは睡眠と栄養、そしてアミノ酸摂取。

 森重はコンディション調整において、睡眠と栄養を重視している。そして就寝前、食事後のアミノ酸摂取を日課にしている。

 まず睡眠は一日8時間以上を確保している。いろいろと試したうえで、「8」に落ち着いたようだ。

「家で子供と一緒のタイミングで寝て、子供より早く起きます。7時間だと、昼過ぎから眠くなってしまう。最低でも8時間確保できると、一日中すっきりして過ごせる感じになります。集中力も上がりますしね。寝る前にはアミノ酸を摂ることも欠かせません」

 寝る布団一つにもこだわりがあり、睡眠の質を上げていくことを徹底している。

 また食事も愛妻の協力を得ながら、気を遣っている。森重は言う。

「たとえば疲れているときは、同じ肉を食べるにしても妻には消化のいい、脂っぽくない鶏肉を出してもらったりしています。そこは妻に任せている部分も多くて、凄く助けてもらっています」

試合まで一週間のサイクルを基本的に同じにする。

 さらに森重は、筋トレを行なうタイミングを含めて試合まで一週間のサイクルを基本的に同じにしている。ストレッチにしても、同じメニューをこなす。無理のない範囲で、続けていくことをモットーにしている。

「僕、どちらかと言うと、続けられないタイプなんですよ(笑)。だから自然にやっていけるようなものにしておかないといけなくて。たとえば同じストレッチにしておけば、ここが張ってるなとか、ちょっとした異変に気づきやすい。同じにしているから、変化というものに敏感になれるんです」

 とはいえ、今の決まったパターンに辿り着くまでは、試行錯誤を重ねてきた。

「試合の日、デーゲームかナイトゲームかで過ごし方は大体決まっているんですが、前泊がないときは当日、公園に行ってストレッチとか、軽く走って汗をかくようにしたこともあったんですよ。そうしたら、試合で調子悪いなって。それからもうやめにしましたけど。

 でも環境が違ってきたら、これまでと同じというわけにもいかない。代表に入るようになって遠征に行ったら、いつもやっている筋トレの器具がなかったりする。だったら器具を使わずにやれるものにしておけば、代表の遠征でも最低限やれる。そういうふうに環境に合わせながらやるようにしています」

 地道な努力を継続してやってきたからこそ精神的にも逞しくなり、日本屈指のセンターバックとなった今の森重真人がある。

 勝負の地では、チームのために全力を尽くして、勝利に貢献していくことを誓う。

「試合に出て何かを掴んで、帰ってきたいですね。自分は世界でも通用するんだっていう自信となるものを、掴みたいです」

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森重真人
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