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「パスを出せ」と怒られても、打つ!
1トップ像をついに掴んだ岡崎慎司。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2013/11/13 10:30

「パスを出せ」と怒られても、打つ!1トップ像をついに掴んだ岡崎慎司。<Number Web> photograph by AFLO

ブラウンシュバイク戦での2ゴール以来、充実のプレーを続ける岡崎。フランクフルト戦は無得点で途中交代だったが「決め続けないとまた信頼が無くなってくると思う。そういう、FWとしての土俵に立てているのは良いのかなという感じはしますね」と緊張感あるコメントを残した。

合わせるのではなく、特長を出す。

 ところが、この翌週に行なわれたブラウンシュバイク戦で1トップの位置で起用されると、ブンデスリーガの舞台では初めてとなる1試合2ゴールをマーク。そこからは見違えるようなプレーを見せている。

 翌週のアウクスブルク戦、その次のフランクフルト戦ともゴールこそなかったものの、ピッチ上で圧倒的な存在感を放っていた。フランクフルト戦では最前線で次々と決定機に絡み、アウクブスブルク戦ではチーム最多のシュートを放った。

 これまでとプレーが変わってきたことは、岡崎も実感している。

「シュツットガルトでやっていたプレーやこの前までマインツでやっていたプレーよりは点を獲れる可能性はかなり上がっていると思う。個人的にもやっぱり楽しいですね」

 プレーの変化をもたらしたのは意識の変化だった。

「自分が合わせることでチームの中に入っていくんじゃなくて、自分が自分の特長を出すことでチームのためになる。それをトゥヘル監督にもわかってもらえている。前の試合(ブラウンシュバイク戦)で1トップに入って2点決めて、練習からゴールを奪うことだけをずっと意識していたので、『あいつはこういうのが好きなんだ』というのをチームメイトに徐々にわかってもらえたんだと思う」

ちょっとくらい怒られても、ポジティブに。

 ここにきて、シュートの回数に比して決定力への不安という課題も出てきたが、それも積極的にゴールを狙える位置に入っているからこそ。岡崎は、力強くこう話す。

「ここ最近は、何も考えない状態でひたすらサッカーに集中する状態にはあまりなっていなかった。でも今は、前だけを、ボールだけを見るというような感じになっている。練習では、周りにもパスを出せ、みたいな感じで監督からけっこう怒られるんですけど、自分でシュートまでいっちゃう。それぐらいやらないと、チャンスもこないと思うし。まぁそれくらいのプレッシャーを、1トップの選手はいつも背負うわけだから。別に、ちょっとくらい怒られても『でも、俺は戦っているんだ!』みたいな感じでポジティブにやっているんです」

 この吹っ切れたような精神状態は、先のコンフェデレーションズカップのときの精神状態と似ている。あの大会でも、本田など周りの選手がパスを出せと声をかけても、岡崎は強引にシュートを打ちに行った。その結果、日本代表の中で最も良いパフォーマンスを見せていたことに疑いの余地はないだろう。

 責任を背負うつもりがあるから、強引にゴールを目指す。そんな覚悟を持ったストライカー岡崎が、これからゴールを量産したとしても不思議ではない。

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