萩野と同世代の瀬戸大也、山口観弘らも期待大!!

　萩野の活躍が際立った今年の日本選手権だが、萩野と同世代の2人にも触れておきたい。

　小学生の頃から萩野と競ってきた瀬戸大也は、個人メドレーの400m、200mそれぞれで2位となり、世界選手権代表入りを決めた。

　萩野と瀬戸は昔からライバルとして意識しあい、切磋琢磨してきた。

　昨年、ロンドン五輪代表選考会である日本選手権を前にインフルエンザにかかり、五輪代表を逃した。一時は失意に沈んだが、萩野のロンドンでのメダルに奮起。そしてつかんだ日本代表である。

「2人で、リオデジャネイロ五輪で金メダル争いをしたいです」

　と、飛躍を誓う。

　200m平泳ぎの世界記録保持者、山口観弘も同世代の一人。今大会の200mで初優勝を遂げた山口は、萩野とともに東洋大学に進んだ。萩野の活躍は刺激になったはずだ。

　彼ら3人の関係ばかりではない。

　萩野に100mで敗れた入江は、「悔しいことは悔しいですけど、調子が悪いのは分かっていました」と言ったあと、こう続けた。

「最終日に200mがありますから」

　入江にとっても、萩野の台頭は刺激になっている。

　こうしたいくつもの競いあう関係があり、互いに刺激しあい、切磋琢磨する。それが日本の競泳陣を強くしていくことになる。

　3年後のリオデジャネイロ五輪へ向けて、スタートを切った日本の競泳。

　日本選手権は明るい予感を抱かせるものだった。