岩隈久志の名言 

今季からシアトル・マリナーズに移籍した岩隈だが、スプリングキャンプで出遅れ、開幕ローテーション入りはできなかった。与えられた役割は“モップマン”。先発投手が早々に崩れた試合やアクシデントで交代した場合などに備える、控えの汚れ役であった。メジャー初登板はチーム15試合目まで待つことに。それでも腐ることなく、与えられた仕事を淡々とこなしていった。7月に入り、ついに先発のチャンスを掴むと、後半戦はローテーションの一角を担うまでに至った。日本ではエースとして遇されていても、メジャーでは一から実績を積まなければ評価されない──そんな厳しさを肌身で感じた岩隈は、“上を目指す”ためのスタートラインにやっと立てたのである。

Number809・810号(2012/08/03)