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<初のメダルをもたらした戦略> 福原愛/石川佳純/平野早矢香 「卓球女子、未来への涙」 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2012/08/22 06:01

<初のメダルをもたらした戦略> 福原愛/石川佳純/平野早矢香 「卓球女子、未来への涙」<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

「飛行機の中が自分の家」の日々を経て、つかんだ幸運。

「去年までジュニアのツアーも回っていたので、30カ国は行ってます。エクアドルとか、南米の遠いところにも行って、帰国した翌日にまた出発ということも珍しくなかったです」

石川佳純 Kasumi Ishikawa
1993年2月23日、山口県生まれ。'07年世界選手権に史上最年少の14歳3カ月で出場し、'09年にはシングルスでベスト8進出。'11年に全日本選手権シングルスを制覇。158cm、51kg。

 石川のパスポートは、色とりどりの出入国スタンプがあふれ、紙を補充している状態。福原は今年4月から5月にかけてスペイン、チリ、オーストラリアを回って日本に戻るという「世界一周ツアー」を経験し、平野は「飛行機の中が自分の家」と話すほどだ。

 ポイントを積み重ね、7月のランキングで日本は2位を確保。思惑通り中国と反対のブロックに入り、準決勝でシンガポールと対戦する見込みとなった。これも日本には幸運だった。難敵・韓国との対戦が避けられたからである。

 今年3月にドルトムントで行なわれた世界選手権では、準々決勝で韓国に敗れた。最後に登場した石川がマッチポイントを握りながら、そこから逆転されてしまった。韓国には百戦錬磨のカットマン、キム・キョンアがおり、日本では同タイプの選手が少ないため、特に福原には苦手意識があった。しかし、世界ツアーの甲斐あって、中国、韓国とは別の山という、最高の組み合わせを手に入れた。

準決勝、シンガポールの強敵を相手に見せた「新しい福原」。

福原愛 Ai Fukuhara
1988年11月1日、宮城県生まれ。3歳からラケットを握り、全ての全日本タイトルを獲得。五輪は'04年アテネ大会シングルスベスト16、北京は同ベスト16、団体4位。156cm、48kg。

 そして4年間の総決算となる準決勝、シンガポール戦を迎えた。1番手は福原対フェン・ティアンウェイの対決。フェンは石川が個人戦の3位決定戦で敗れた相手、強敵である。

 この試合、第1ゲームが鍵となった。6対8とリードされた局面から福原が4ポイント連続で奪取、流れをつかんだ。

 これが「新しい福原」の姿だった。かねてから外国勢は、序盤に福原をリードしてしまえば戦意を喪失し、勝利が転がり込む――というシナリオを持っていた。ところがオリンピックでは、リードされても焦ることなく、じっくりとラリーをするなかで勝機をうかがっていた。

個人戦での逆転勝ちで得た経験から、福原は粘り強さを発揮して勝利。
石川は、一度も勝ったことのない相手にも怯まず、
ダブルスで出場した平野も自身の役割に徹して、銀メダルをつかんだ。
そんな卓球界初の快挙に号泣した3人に待つ、さらなる高みとは――。
つづきは、雑誌「Number」ロンドン五輪臨時増刊号、もしくはNumberモバイルでお読みください。
<ロンドン五輪特別編集>終わらない物語。

Sports Graphic Number 2012/8/24臨時増刊

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