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中畑監督ひとりに頼るなかれ!
DeNAの選手間で高まる意識改革。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/04/27 11:30
開幕から絶好調で打率首位に立っていた森本稀哲だが、最近は少し元気がなくなっている。移籍1年目の昨季は、結局故障で出場試合数も少ないままに終わったが、今季は新指揮官の下で大いに活躍を期待されている。
負け癖を克服すべく「生きた教材」に学ぶ。
チームには、弱小と周囲から揶揄されながらも'09年の楽天のクライマックスシリーズ進出に貢献した渡辺直に、優勝を経験している中村紀洋、ラミレス、森本稀哲、生え抜きでも三浦大輔がいる。かつて「Bクラスの常連」と呼ばれていながら、日本一を知り、常に全力でプレーする稲葉篤紀の加入によって目覚ましい変貌を遂げた日本ハムのように、DeNAも勝利を知る彼らから学べることは多いはずだ。
中畑監督は、大量リードをされていても、チームに「『いくぞ!』という雰囲気が感じられる」と言った。
心は強化されている。
最大の懸案事項である12球団ワーストのチーム打率2割0分2厘(4月27日現在)にしても、「打つほうにしても兆しあり!」(中畑)と手ごたえを掴みつつある。
厳しい現実はある。しかし、指揮官が言う心と体がマッチしてくれば、DeNAはいずれ面白いチームになる。