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内容は6位以上だった可夢偉。
開幕戦で確信した3年目の飛躍。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byHiroshi Kaneko
posted2012/03/21 10:30
「壊れていなければもっと良かった。何もなければ5位のアロンソの前でしたね」とレース後にコメントした小林可夢偉。次戦マレーシアGP決勝(3月25日)では、さらなる上位入賞を狙う。
昨年のモナコ5位に次ぐ好成績にも可夢偉は満足せず。
それでも、レース後の可夢偉に満足した表情はなかった。
「スタート直後にチームメートに追突され、リアウイングにひどいダメージを受けて本来のペースで走れなかった。それにレース途中に出されたセーフティカーも、自分にとって最悪のタイミングだった」
開幕戦6位は、レース後の車検で失格になって入賞が取り消された昨年の8位を上回る自身開幕戦最高位。さらにF1としてのキャリアを通しても、昨年のモナコGPの5位に次ぐ好成績にもかかわらず、可夢偉は「悔しい開幕戦だった」と振り返った。それは、そのリザルトにこのクルマが持っているポテンシャルと自分が持っている力が正しく反映されなかったからだろう。
可夢偉の本当の評価を下すには、開幕戦の6位という成績だけでは物足りない。
6位以上の力を感じさせた3年目の可夢偉だった。