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ベッテルが、20年を経てセナと出会う。
「ブラジルGP2位」への疑問と称賛。 

text by

尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2011/12/04 08:01

ベッテルが、20年を経てセナと出会う。「ブラジルGP2位」への疑問と称賛。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

今季最終戦、ブラジルGPの表彰台にて。チームメイトのウェバーから祝福のシャンパンを浴びせられるベッテル

セナはもっとひどいギアのトラブルでも優勝していた!

 そして、ベッテル。

「勝てるマシンに乗っていて2位で満足することなんてできないよ。だって、'91年にセナは今回の僕よりひどいギアボックストラブルに見舞われながら、優勝しているんだから」

 今年はセナが最後にタイトルを獲得してから20年後のメモリアルイヤー。そのセナが20年前にブラジルGPで飾った初の母国GP優勝もまた、トップ走行中にギアボックストラブルに遭遇する厳しいレースだった。当時のF1マシンは6速。最初に4速に問題が発生し、次に3速と5速が機能しなくなった。さらに2速も壊れたセナは、レース終盤はトップギアの6速だけで逃げ切るという離れ業を演じたのである。ウイニングランで嗚咽し、極度の肉体的疲労からコース上にマシンを止めたセナを、当時も「演技がうまいな」と嘲笑した者は少なくなかった。

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 あれから、20年。

 伝説のレースが繰り広げられたインテルラゴスのサーキットに、今年ベッテルが携えてきたのは、セナの本だった。

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