日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
元日本代表・奥大介が語るW杯予選、
「勝ち抜くための3つのポイント」。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNaoya Sanuki
posted2011/08/29 10:30
アジアカップ優勝や日韓戦の大勝など、ザックジャパンとなってから負け無しの日本代表。着々とチームの基盤は固まっているように見えるのだが……
ブラジルW杯に向けたザックジャパンの戦いが、9月2日のアジア地区3次予選、北朝鮮戦(埼玉スタジアム)で幕を開ける。初戦の4日後にはアウェーでウズベキスタンと対戦するスケジュールとなっており、スタート時から重要な局面を迎えることになる。
歴代の日本代表が苦しんできたW杯予選。先の韓国代表との対戦で3-0と快勝して勢いに乗るザックジャパンに、落とし穴はないのか。
元日本代表MFで現在、多摩大学目黒高校のサッカー部監督を務める奥大介氏に、「W杯予選を勝ち抜くための3つのポイント」を聞いた。
~その1~ 異常な緊張感の中で戦う初戦の難しさ。
奥が現役だった時代、W杯予選で強烈な印象として心に残っているのが、2004年2月18日に埼玉スタジアムで行なわれたオマーン戦だという。直前までジーコジャパンの一員としてメンバーに入っていたが、奥は18人の登録メンバーから漏れてオマーン戦でベンチ入りすることはかなわなかった。
スコアレスのまま後半ロスタイムに突入し、途中出場の久保竜彦が決勝ゴールを挙げて何とか勝ち点3を奪い取るという苦しい内容だった。
「アジア地区1次予選(今の3次予選)の一発目の試合だったので、この試合を見てまず実感したのは、W杯予選になるとまるで雰囲気が違ったということ。オマーン戦の前にマレーシア、イラクと親善試合をやりましたけど、予選本番の雰囲気をシミュレーションすることまではやっぱり難しいものです。
予選の初戦となったあのオマーン戦はピーンと何か緊張感が張り詰めたような感じでした。僕はメンバーに入れませんでしたけど、みんな日本を背負っている思いが強かったと思うし、プレッシャーもかなりあったと思う。ホームということで、なおさらその思いを強くしていた感じもありました。
間違いなく、あの独特な雰囲気のなかで戦う初戦の難しさというのはあった。今回の3次予選もカギは初戦にあると、僕は思っています」