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<名将が語るベストゲーム> ベンゲル 「マンU恐怖症を克服した午後」 ~1998.3.14 マンU×アーセナル~
text by
スティーブ・スタマースSteve Stammers
photograph byUNIPHOTO PRESS
posted2011/05/01 08:00
押しも押されもせぬ、プレミアの名門として知られるアーセナル。
だが今日の名声は、決して最初から保証されていたものではなかった。
智将ベンゲルが語る「クラブの運命そのものを変えた一戦」とは。
だが今日の名声は、決して最初から保証されていたものではなかった。
智将ベンゲルが語る「クラブの運命そのものを変えた一戦」とは。
永遠の記憶。
そう表現しても差し支えないだろう。アーセン・ベンゲルの脳裏には、“あの試合”の記憶が鮮明に焼きついている。
1996年秋にアーセナルの監督に就任して以来、ベンゲルは、2004年の無敗優勝を含む3度のプレミアリーグ制覇と、4度のFAカップ優勝を果たした。だがフランス出身の監督が挙げたのは、輝かしいタイトルを実際に手中に収めた試合ではなかった。
「私にとってのベストゲーム? 答えは簡単だよ。1998年3月、オールド・トラッフォードでマンチェスター・ユナイテッドを下した試合だ。私自身、そして選手やアーセナルというクラブそのものにとっても、決定的な意味を持つ一戦になったからね」
'97-'98シーズン、プレミアリーグ第30節。アーセナルはユナイテッドに1-0で勝利を収めている。この試合の重要性をベンゲルは次のように強調する。
「監督に就任してから今日に到るまで、アーセナルにおいて私が手にしてきたすべての成功の礎は、13年前のユナイテッド戦で築かれたと言ってもいい。いわば、あの勝利がアーセナルの運命を変えたんだ」
運命の一戦を迎える直前、ユナイテッドは既にリーグ戦30試合を消化して首位を独走していた。2位のアーセナルとは9ポイント差に開いており、ベンゲルがタイトルレースで逆転するのは不可能だとされていた。