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本当にネリは井上尚弥の“刺客”なのか? 米記者が断言する“悪童”のリアルな実力「尻込みした挑戦者とは一線を画す」「ドネアほど深みない」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/05/02 17:03

本当にネリは井上尚弥の“刺客”なのか? 米記者が断言する“悪童”のリアルな実力「尻込みした挑戦者とは一線を画す」「ドネアほど深みない」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥に挑むルイス・ネリ

 個人的な意見を言えば、今戦に向けてのネリは最高級のコンディションを作ってくると仮定した上で、序盤は井上にも多少の危険があると見ている。怖いのは開始早々、ネリの風車のような連打を見極める前に数発を避け損ね、少なからず戦力を損なった場合。わかりやすく言えば、2019年のノニト・ドネア(比国)との第1戦、2回に左フックを浴びて右目を痛めたような展開だ。

 もっとも、バンタム級ではまだトップレベルの力を残していたドネアほどの深みがネリにあるとは思えないのも事実ではある。だとすれば、序盤の懸念も結局は杞憂に終わる可能性が高い。モチベーションは最高潮であることが予想される井上が技術、スピード、パワーなどすべての面で力の差を見せつけ、支配していく流れが容易に想像できる。それらを踏まえた上で、最後にアイデック記者の展開、結果予想を記し、本項の締めくくりとしたい。

「ネリは“優れたボクサー(a good fighter)”だが、井上は“偉大なボクサー(a great fighter)”だ。ネリには井上に勝つ現実的なチャンスがあるとは考えていない。ネリは開始直後から積極的に攻めるはずで、序盤は井上を少してこずらせるかもしれないとは思う。ただ、井上がネリを崩し、KOすると見る。井上が7、8回までにネリをストップしなかったら私は驚くだろう」

 “偉大なボクサー”と“優れたボクサー”。その差が東京ドームで満天下に晒されるであろう夜はもう間近に迫っている。

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