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「オオタニの新通訳ウィル・アイアトンって何者?」米国でも話題に…大谷翔平会見、米国メディアはどう報じた? 日本と全然違う「出場停止」への意見 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2024/03/27 20:00

「オオタニの新通訳ウィル・アイアトンって何者?」米国でも話題に…大谷翔平会見、米国メディアはどう報じた? 日本と全然違う「出場停止」への意見<Number Web> photograph by Getty Images

現地3月25日、水原一平氏による違法賭博問題に関して記者会見を行う大谷翔平。隣は新通訳のウィル・アイアトン氏

 水原一平氏が解雇されることとなり、「誰が大谷の通訳になるんだろう?」と思っていた人も多いはずだ。

 今回、報道対応の席で大谷の下手側に座ったのは、ウィル・アイアトン氏。「ジ・アスレティック」では彼の経歴を紹介しており、実に興味深い。

 アイアトン氏は現在、35歳。東京で生まれ、10代の時にハワイに移住して、アメリカの教育を受けた。学業はかなり優秀だったようで、2012年、彼はメンロ・カレッジで総代となった(YouTubeで検索すると、彼の卒業式でのスピーチが見られる。いやはや、なんでも見られる時代になった)。

 しかもその年に行われたWBC予選では、フィリピン代表の選手にも選ばれた。つまり、野球に関しては「ガチ勢」である。

 大学卒業後はレンジャーズ、ヤンキースでインターンを経験した後、ドジャースに採用された。最初の仕事は、2016年に入団した前田健太の通訳を任された。

 しかしそれが本職ではなく、その後は選手育成担当となり、トリプルAのオクラホマシティのコーチングスタッフに加わりキャリアを積み、現在はドジャースのパフォーマンス部門のマネージャーを担当している。

 また、試合前には選手たちの景気づけのためにダンスを披露することもあるそうで、編成担当のアンドリュー・フリードマンが“Will the Thrill”(ウィルはスリリングな奴、みたいなニュアンス)と呼んでいることが紹介されている。

 現在は、分析データをコーチや選手たちが活用しやすいように手助けするのが本業。データ野球が浸透した現代において、重要な仕事だと言えるだろう。そうしたことを鑑みると、今回の通訳の仕事は臨時の可能性もある。

 アイアトン氏がこうした形で紹介された記事を読むと、人の人生は有為転変、水原一平氏のスポーツ賭博は、様々な人の人生に影響を与えているといえる。しかも、着地点はまだ見えていない。

 それでも季節はめぐって、球春が日米でいよいよ到来だ。

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