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〈知の甲子園〉高校生の野球研究がスゴい「野村IDをMLB解析で再構築」「野球部マネ仕事の現状」…桑田真澄や吉井理人の姿も 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/03/18 11:02

〈知の甲子園〉高校生の野球研究がスゴい「野村IDをMLB解析で再構築」「野球部マネ仕事の現状」…桑田真澄や吉井理人の姿も<Number Web> photograph by Kou Hiroo

日本野球学会での表彰式の様子

〈岐阜県立大垣北高校〉

 ・「バスターの用いられ方の検討:一般的な打法と比較して」

 バスターを行うとスイングや打球にどのような特徴が生じるかを調べるためミズノの「ブラスト」を用いて計測。バスターがどのような場面、目的で用いられるべきかを検証した。

 ・「理想とするマネージャーの在り方について考える:北高野球部が甲子園に行くために」

 2023年夏の甲子園は慶応義塾高校が優勝したが「進学校であっても『勝てるチーム』になるには何が必要なのか」を考えるなかで、マネージャーの在り方を見直すべきとして調査を実施した。

 ・「小学生の心身の発達と大垣北Jrベースボールラボ~活動のあるべき姿を考える」

「大垣北Jrベースボールラボ」は近隣の子供たちがスポーツや学習に取り組む環境を作ることを目的にした取り組み。アンケート結果から今後の方向性について模索した。

高校野球のデータ収集から「サウナ」検証

〈山形県立山形東高校〉

 ・「高校野球におけるデータ収集とその活用事例」

「配球とコンタクト」「各選手の打撃傾向の変化」「投手が投じる球の特徴と傾向」について、「ブラスト」や「ラプソード」なども使って探求を行った。

〈鳥取県立米子東高校〉

 ・「高校野球における高めのストレートの有効性について」

「低めにボールを集めよ」という定説がある一方で、MLBでは「フライボール革命」に伴って高めの有効性が言われている。高校野球でも高めの直球が有効であることを証明する。

 ・「球速帯の変化と打球方向のちらばりについて」

 野手のポジショニングにはグラウンドの形状、打者の力量、自身の守備範囲など様々な要素が影響を与えるが、これに「球速帯の変化」を加えれば精度が高まると考えて検証した。

 ・「野球人口増加への取り組み:スポーツ少年団に着目して」

 小学校低学年を中心に普及活動を行ってきたが、より選ばれるチームになるため、スポーツ少年団に所属する団員の保護者に実施したアンケートをもとに改善策を提言する。

 ・「サウナには心理的競技能力を向上させる効果があるのか」

 昨年はサウナの身体的な疲労回復効果と主観的な体調の変化について発表したが、今年は心理的競技能力(メンタルの強さ)との関連について考察した。

【次ページ】 「交代した所に打球が飛ぶ」説、マネの課題も

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