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DeNA戦力外→アメリカ最高峰の独立リーグで打率3割超え&42盗塁、乙坂智30歳が振り返る「“MLBのショーケース”で起きていたこと」「筒香嘉智との再会」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byTomo Otosaka

posted2024/02/26 11:01

DeNA戦力外→アメリカ最高峰の独立リーグで打率3割超え&42盗塁、乙坂智30歳が振り返る「“MLBのショーケース”で起きていたこと」「筒香嘉智との再会」<Number Web> photograph by Tomo Otosaka

2023年、アメリカ独立リーグで最高峰と名高いアトランティックリーグで好成績を収めた乙坂。一体どんなシーズンを過ごしたのか

「ATLLは、まさにMLBに向けた“ショーケース”なんです。ほとんどの選手が、どれだけ速いボールを投げられるか、どれだけ飛ばせるかをアピールしている。そんな中で僕のスタイルは、セーフティーなどの小技や盗塁といった相手の裏をかくプレーが多いので、そういう意味ではスバズバ決まったし、自由に表現することはできたのかなって。周りからも『トモ(乙坂)はユニークだし唯一無二のスタイルだ』って評価は受けましたが、ニーズに合う球団、合わない球団がはっきりしてくる。自分としては合う球団があればいいなと願っていましたが……。そういう意味で最後は、歯がゆさに打ちのめされたシーズンでしたね」

自分のプレーを編集した動画を作成し、売り込み

 うなずき、納得するように乙坂は言った。また球場でアピールするばかりではなく、自分のプレーを編集した動画を自ら作成し、「メジャー30球団に送っておいてください」と、代理人へ毎日のように連絡をするなど可能性を模索した。それでもMLBからの反応はなかった。

「ただ、知らない世界を知ることができたのは有意義だったし、大変なことも多かったけど、成長できた実感はありました。日本にいたら決してできない経験もして、野球選手としてはもちろん、人間としてもスケールアップできたのかなって。まだまだチャンスがあるのならば、どこへ行っても全力でプレーするだけです」

 ヨークでの生活で、またひと回り肉体も精神もタフになった。だが、まだ夢の途上。乙坂は10月に入ると、昨年同様ベネズエラのウィンターリーグで戦うため機上の人となった。北米から南米をまたぐ、終わりなき旅は続く――。

<つづく>

#2に続く
「僕は“助っ人外国人”なんです」ベネズエラで2年連続盗塁王&オールスター初出場、元DeNA乙坂智が感じた“2年目の重圧”<エスコバー、ロペスと再会も>

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