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「成長には、常に窮地にいることが必要」女子バスケ代表主将・林咲希が五輪イヤーに“移籍決断”のワケ…「パリは去年の男子以上に盛り上げたい」 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/02/24 11:05

「成長には、常に窮地にいることが必要」女子バスケ代表主将・林咲希が五輪イヤーに“移籍決断”のワケ…「パリは去年の男子以上に盛り上げたい」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

五輪最終予選でキャプテンを務めた林田が、今季ENEOSから富士通へ移籍。五輪イヤーにも関わらず移籍を決断した理由は…?

 キャプテンを経験できたことは、「きつかったですけど、人間的な成長にも繋がった」と振り返る。

「“あの選手はこういうことを考えているだろうな”とか、“今、チームはこんな雰囲気だろうな”と周りを見る癖がついてしまいました(笑)」

 昨夏、FIBAバスケットボールワールドカップ2023で男子代表が一足早くパリ五輪の出場権を獲得したことも、少なからずプレッシャーとなっていた。

「五輪出場が決まった試合(ガーボベルデ戦)も見ていたんですけど、走るバスケからの3Pシュートは女子でも男子でも、相手にとっては脅威なんだなと感じることができました。でも、男子に先に(五輪出場を)決められて悔しかったですね。それも今回はかなりプレッシャーでした」

「もちろん金メダルを狙います」

 男子代表の躍進でW杯は大きな盛り上がりを見せ、爆発的なバスケ人気につながった。社会現象ともいえる昨秋のW杯は、林にとっては大きな気づきの機会にもなったという。

「今までにないくらいバスケが注目されていてすごいなと感じました。第三者的な立場で見ていて“バスケって面白いな”とも感じましたし、ファンの方々の気持ちも知れた。自分がコートに立ったときやプレーするときに見ている方々にそう感じてもらえるようなプレーがしたいと改めて感じさせてもらいました」

 だからこそパリ五輪では男子以上に、自分たちのバスケで楽しませたいと思っている。

「もちろん、金メダルを狙いに行きます。でも、男子の方が盛り上がるんですよね。ダンクができるのがずるい(笑)。ただ、女子バスケの魅力を分かってくれる人も多いと思うので、昨夏の男子以上にヒットさせられたら。男女ともに頑張ればもっともっとバスケ界が盛り上がると思うので本当に今から楽しみです」

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《パリ五輪出場決定》は「ホッとしすぎてヤバかった」女子バスケ代表主将・林咲希が激白した最終予選の舞台裏「試合前はみんな顔が強張って…」

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