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自身のギャラは大幅値下げ、プロデューサー高橋大輔の覚悟…アイスショー「滑走屋」はどこが画期的だったのか? 関係者も“初めて見た”表情

posted2024/02/22 11:02

 
自身のギャラは大幅値下げ、プロデューサー高橋大輔の覚悟…アイスショー「滑走屋」はどこが画期的だったのか? 関係者も“初めて見た”表情<Number Web> photograph by AFLO

2月9日、「滑走屋」公開リハーサルでの高橋大輔

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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 昨年5月に競技活動から引退した高橋大輔がプロデュースしたアイスショー「滑走屋」が、2月10日から12日までの福岡市のオーヴィジョンアイスアリーナ福岡で開催された。

 選曲からキャスティングまで全て高橋自身が手掛けたという意味において、今回の「滑走屋」が彼の真のプロデューサー/クリエーター・デビューといえる。休憩なしの75分、1日3公演というのも異例だが、従来のアイスショーの概念をあらゆる角度から打ち破った、プロデューサーとしての「高橋大輔」の覚悟を感じた衝撃的なアイスショーだった。

高橋は自分のギャラを大幅に値下げして…

 元々アイスショーというのは、「ホリデイ・オン・アイス」などに代表されるような「大人から子供まで万人が楽しめるファミリーエンタテイメント」からスタートした。

 最近のアイスショーはファミリーで見るにはチケット代が高価な、コアなフィギュアファン対象のものが主流になっている。これらは大会のメダリストエキシビションのように、トップ選手が順番にプログラムを披露するガラ公演形式が通常だ。アイスショーの数が増えた現在の日本では、どの有名選手が何人出るのか、ということがチケット売り上げの明暗を分けるといっても過言ではない。

 だが10月から準備をはじめたという「滑走屋」は、従来の「ファミリーエンタテイメント」でも、スター選手の数に頼ったショーでもなかった。

 このショーのプロデュースにあたり、高橋は自分のギャラの大幅値下げを申し出たという。チケットの価格を低めに抑え、休憩なしの75分のショーを1日3公演にしたのも、できるだけ多くの客層に見てもらうためだ。あえて海外の選手は招聘せずに、日本人スケーターで揃えて「滑走屋」という名前を選んだのだという。

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