――それをこのオフも継続してやった？

筒香　10月中旬くらいから走っていました。ただ長距離とかではなくて、長くてもポール間ぐらいの距離、あとは坂道とかを走る感じですね。ポールからポールを残り1分を全力で8本とか。200mくらいの坂道を8割でスタートして最後にマックスで走ることもありました。徐々に上げていって、頂上付近でマックスになるような走り方ですね。あとは5kgのボールを両手でお腹の前で持って走ったり、逆に野球の硬式ボールをお腹の前で両手で持って走る。これって軽いんでブレやすいんですが、そうやって走る中で足裏の感覚とか、お腹周り、体の感覚みたいなものを細かくちょっとずつ育んでいったって感覚ですね。

――その運動でパワーもついた感触はありますか？

筒香　パワーっていうと、どうしてもウエイトとか数値パワーっていう感覚になりますよね。でも、僕の中ではスイングする構えからフォローするまでの足裏の強さとか、粘っこさが出てきたなっていう感覚なんです。バッティングで言うと、あっさりしたスイングではなく、水飴のような感覚がいまはあります。

――粘っこくて、あっさり崩されない？

筒香　そういう感覚がいま僕の中にはあります。いままでは何て言うんでしょう……何かずっと自分と戦っていただけだったなあ、と。いま思うとそんな感じがしますね。ただ、そういう手応え、感覚がスプリングトレーニングに行ってどうなるか。そこはちょっとまだ分からないですけどね。

◇ ◇ ◇

　今シーズンへの手応えをこう口にした筒香内野手へのインタビュー後編では、アメリカに渡ってから過去4年間の苦悩と「諦めない力」の源を聞く。

＜続く＞