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板倉滉に起きていた“異変”…まさかの敗戦直後、板倉がメディアに唯一“答えなかった質問”とは?「体調不良」はPK献上に影響したか 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2024/02/08 17:30

板倉滉に起きていた“異変”…まさかの敗戦直後、板倉がメディアに唯一“答えなかった質問”とは?「体調不良」はPK献上に影響したか<Number Web> photograph by Getty Images

アジアカップイラン戦、痛恨のPK献上となった板倉滉のファウルシーン

 報道陣へ公開している時間帯に限るとはいえ前日まで変わりなく練習していた板倉の名がベンチメンバーに入っていなかったからだ。

 今回の大会登録メンバーは26人で、ベンチ入りは23人。試合毎に23人のベンチメンバーが選ばれるルールとなっており、インドネシア戦は板倉のほか、三笘薫、野澤大志ブランドンもメンバー外だったが、三笘と野澤は負傷によるものであることがハッキリしていた。

 それらを踏まえると、インドネシア戦の前日練習の後に板倉に何かアクシデントが起きたかもしれないという緊張感が走った。

 ただ、インドネシア戦後の森保一監督の説明は、「選手起用の中で、申し訳ないが違った選手を起用しようという考えの中、ベンチ外ということを受け入れてもらった」という曖昧なもの。中心選手の不在は戦略的な観点でデリケートな部分であり、報道陣もそれ以上の質問をすることはなかった。

 しかし、翌25日、ボルシアMGのジェラルド・セオアネ監督が「コウは1日か2日間だけ体調を崩していたようだ。その理由でグループステージ最終節も出場できないと伝えられていたが、深刻なものではないはずだ」と語ったことで、「体調不良」がベンチ外の理由であることが明らかになった。

なぜ所属チーム監督が「体調不良」を明言?

 所属チームの指揮官によって代表選手の状態が語られるのは異例だが、これには背景がある。

 板倉は昨年10月、日本代表の国際親善試合チュニジア戦(ノエビアスタジアム神戸)に先発した後、左足の痛みが強くなり、通称「ネズミ」と呼ばれる遊離軟骨の除去手術を受け、それ以降はブンデスリーガで実戦復帰しないまま日本代表に招集された。

 元日にあったタイとの国際親善試合はベンチ入りしたがピッチには立たず、試合後はクラブの要請で一度ドイツに戻り、1月6日の練習試合(ゴー・アヘッド・イーグルス戦)に60分間出場。その後、カタールに移動し、ドーハに到着したのはチームで最も遅い1月7日夜だった。そして、1月9日に完全非公開で行われたヨルダン代表との練習試合にも先発し、そこでは先制点を決めた。

 一連の流れを見ると、板倉がネズミの手術の後に慎重にリハビリをし、アジアカップ前に所属チームで最終確認をしてから大会を迎えたことや、日本代表と所属チームのコミュニケーションがしっかり取れていることが分かる。

【次ページ】 板倉が“避けた質問”の答えとは…

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