「その通り。このことでチームの雰囲気が悪くなったとは思わないが、大きな戦力ダウンだった」

森保監督に対する“解任論”はどう思う？

――準々決勝敗退を受けて、日本の一部のメディアとファンからは森保監督への批判があり、解任論や監督交代を求める声も上がっています。

「イラン戦では戦術的に完敗を喫した。この点については、責められても仕方がない。しかし、2022年W杯で結果を出したし、その後も結果を出し続けている。現時点で、日本代表にとって彼以上の監督は見当たらないと思う。この大会の結果は非常に残念だが、今回の結果だけで監督を交代させるべきではないと考えている」

采配が取りざたされている森保監督　©Kiichi Matsumoto

――今大会では、日本、韓国、オーストラリアといった強豪国が苦戦する一方で、それ以外の国の健闘が目立ちます。中堅国が成長したのでしょうか、あるいは強豪国が停滞しているのでしょうか？

「史上初めて決勝進出したヨルダン、初出場でベスト8入りしたタジキスタン、やはりベスト8に食い込んだウズベキスタン……。バーレーンはGSを首位で突破したし、パレスチナもラウンド16で地元カタールを相手に健闘した。中堅国の成長と頑張りで大会の全体的なレベルが上がり、面白い試合が増えた。

　その一方で、強豪国は日本が期待を大きく裏切ったし、韓国も準々決勝まで不安定な試合が多く、準決勝ではヨルダンに完敗を喫した。だから、中堅国の健闘と強豪国の伸び悩みの両方なんじゃないかな」

ブラジルでは日本戦がテレビ中継されていただけに…

　ブラジルでは、GSでは日本の試合を中心にテレビ中継があり、ラウンド16以降はほぼ全試合が放映された。

　一般のファンが大きな関心を示したとは言い難いが、フットボールには大きな関心を抱く国だけに、専門家やメディアはかなりの注目をしていた。

　大の親日国ということに加え、2022年W杯での健闘、そしてその後の快進撃も相まって、日本代表は非常に高く評価され、大きな期待を集めていた。それだけに、早期敗退が悔やまれる。

　チアゴ記者が語るように、世界トップに到達するため、サムライブルーにはまだまだやるべきことが多い――。そのことを改めて思い知らされた大会だった。

＜第1回「失敗のイラン戦」編からつづく＞