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「なぜ天心がセミファイナル?」アンチの声はあっても…世界ランカーを圧倒した那須川天心が“あの有名ボクサー”の名前を出した本当の意味 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2024/01/28 17:02

「なぜ天心がセミファイナル?」アンチの声はあっても…世界ランカーを圧倒した那須川天心が“あの有名ボクサー”の名前を出した本当の意味<Number Web> photograph by Susumu Nagao

プロボクシング3戦目で世界ランカーのルイス・ロブレスを圧倒した那須川天心。ボクサーとして着実に成長を重ねている

「全員が納得できるような試合をしたい」

「とりあえず(T)KOという感じですね。自分の中ではもうちょっと試したかったけど、進化している部分をお客さんに見せることはできたと思う」

 それでも、アンチの声はなくならない。今回も本人の責任は一切ないとはいえ、内容的には不完全燃焼だった感は否めない。「なぜ2戦連続で世界戦に挟まれる形の試合順(セミファイナル)なのか?」という声も耳にしたが、冒頭で記したように人気と知名度の高さは明らかなのだから、収まるところに収まったという見方もできるのではないか。

 一夜明け会見で、激闘となった寺地拳四朗やユーリ阿久井政悟の世界戦から受けた刺激について聞くと、那須川は「僕はまだ12ラウンドやったことがないので何も言えないけど……」と言葉を選びながら前を向いた。

「いつかはそういう試合もやると思うので。そう遠くはないと思う。しっかりとそこを意識しながら(今回の寺地のような)激闘を……いや、激闘はしたくないんですけどね。ただ、誰が見ても強いと思われるような、全員が納得できるような試合をしたい」

 世界ランカーというハードルをクリアしたことで、4戦目ではバンタム級10回戦が用意される見通しだ。相変わらず周囲からの「インパクトのあるKOを」という声が多い中、那須川は今まで通り一歩一歩着実に進んでいくつもりだ。

「(少年時代に)空手をやっている頃からそうやってきたし、そうでないと生き残れないと思う。しっかりと準備していきたい」

 どんな騒がれ方をされようと、地に足はついている。“沸騰”の瞬間はそう遠くないだろう。

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