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《秘蔵カット満載》今季ドカティで新たな挑戦に臨むマルク・マルケスの写真が語る、15歳から30歳までの驚異的キャリア

posted2024/01/11 17:00

 
《秘蔵カット満載》今季ドカティで新たな挑戦に臨むマルク・マルケスの写真が語る、15歳から30歳までの驚異的キャリア<Number Web> photograph by Satoshi Endo

ホンダでの最後のレースとなった2023年最終戦バレンシアGPでのマルケス。ヘルメットには「感謝」の文字があった

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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Satoshi Endo

 昨年12月上旬、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた「ホンダレーシング・サンクスデー2023」で、2024年シーズンからドゥカティ陣営のグレッシーニ・レーシングに移籍するマルク・マルケスが、11年間在籍したホンダと日本のレースファンに感謝の言葉を述べ、大きな拍手が送られた。

 マルケスは1993年2月17日生まれの30歳。この数年、ホンダのパフォーマンスの低迷でタイトル争いには加わっていないが、依然としてトップライダーのひとりであり、新たなシーズンの戦いに大きな注目が集まっている。そこで今回は、2008年にグランプリにデビューしてから今に至るまでのマルケスの軌跡を、写真とともに追いかけてみたい。

2008年 15歳でのグランプリデビュー

 2008年、15歳でKTMのマシンに乗ってグランプリデビューしたマルク・マルケスは、この当時、身長150cmに満たない小さな身体の選手として注目を集めた。「おいおい、子どもが125ccに乗って本当に大丈夫なのか?」と心配になったが、デビュー6戦目のイギリスGPで3位になり、15歳126日で史上2番目に早い初表彰台獲得を記録した。マルケスはこのころから元気あふれる走りで怪我が多く、デビューシーズンも度々怪我で欠場して総合13位でシーズンを終えた。

2010年 17歳の快進撃

 09年もKTMのマシンで参戦したマルケスだったが、表彰台獲得は1回のみ。アプリリアとデルビ(アプリリアのOEMマシン)の全盛時代において、常に上位グループで戦い総合8位だったが、リザルト以上の光る走りを見せて注目を集めた。

 そして10年は最強マシンのデルビにスイッチ。17歳になったマルケスは一気に身長が伸びて160cmを超えた。開幕戦カタールGPで見たときには「背が伸びたなあ」という印象が残った。この年、チャンピオンマシンに乗り換えたマルケスは破竹の快進撃で、17戦10勝という圧倒的な強さを発揮してタイトルを獲得。当時、史上2番目となる17歳263日でチャンピオンに輝いた。125cc初優勝を果たしたイタリアGPでは、18歳に満たないためシャンパンファイトが出来ない年齢だったのだが、スタッフが間違えてシャンパンを渡してしまう。「ええ? いいの?」と戸惑いながらもマルケスが、豪快なシャンパンファイトをしたのが印象深い。

【次ページ】 2011〜12年 Moto2で見せた圧倒的な強さ

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