「そんなこともありましたね（笑）。1年を通して、世代を超えたレジェンド的存在たるゆえんを感じました。勝率については、正直に言えば……内容を見ていると、もっと勝率を上げてもおかしくない強さだな、と。さらに言えば自分の“勝手読み”かもしれませんが、2023年初頭の王将戦が羽生先生、藤井さんともに非常に大きな経験となったのではと思っているんです」

タイトル戦で初対局となった王将戦第1局（代表撮影） ©JIJI PRESS

「天才が天才を知る」シリーズだったのでは

――2人のタイトル戦初対決が実現した王将戦は第6局まで熱戦が続き、さらには〈勝者の記念撮影〉など将棋の枠を超えて大きな話題となりました。

「藤井さんが羽生先生と戦われた王将戦の後に〈色々と勉強になるところが多かったです〉と話されていましたね。ただ逆に挑戦するという立場だった羽生先生も……32歳の年齢差がある中、大激戦を戦って得るものは大きかったのではないでしょうか。〈天才が天才を知る〉、そんなシリーズだったのだと思います。自分自身も2人の対局を見ることで、あらためて共通点にも気づかされました」

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　藤井と羽生は将棋の枠を超え、世間的にも「棋士」という存在価値を飛躍的に高めたスーパースターと言っていい。32歳の年齢差がある中でも、高見はどんな共通点を感じているのだろうか。

＜第3回につづく＞