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キタサンブラックvsサトノダイヤモンド、2度の激闘をアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』はどう描いたか?【ウマ娘考察#5】 

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屋城敦

屋城敦Atsushi Yashiro

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photograph by©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会

posted2023/12/01 18:00

キタサンブラックvsサトノダイヤモンド、2度の激闘をアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』はどう描いたか?【ウマ娘考察#5】<Number Web> photograph by ©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会

史実でも2度の激闘を繰り広げたキタサンブラックとサトノダイヤモンド。ウマ娘の世界線ではどのように描かれたのか

もう1頭のサトノの存在

 レースは、キタサンブラックではなくリードファンタジー(マルターズアポジーであろうか?)がハナを切って逃げる。史実でも過去17戦すべてでハナを切って逃げているスーパー逃げ馬だった。

 実況はフジテレビ塩原恒夫アナウンサーの名調子をベースに展開。毎度のことだが、もちろんオマージュに終始するのではなく、最後の攻防ではキタサンブラックとサトノダイヤモンドの戦いにフォーカスするため、あえて言葉による描写を減らし、画で見せるといった工夫もされていた。

 キタサンブラックはサトノダイヤモンドに差し切られて2着に終わるのだが、史実では“もう1頭のサトノ”、サトノノブレスの存在が大きかったと言われている。サトノノブレスが早めにまくりを開始したためにキタサンブラックは早めに仕掛けざるを得ず、そのぶんサトノダイヤモンドに差し切られたというわけだ。

初詣と史実での「凱旋門賞挑戦」宣言

 【第8話】

 ナイスネイチャに、有馬記念ではサトノダイヤモンドに完敗したと嘆くキタサンブラック。実際、枠順(キタサンブラックは最内1番枠、サトノダイヤモンドは11番)がだいぶ有利であっただけに、痛い負けではあった。ただ、斤量差(4歳牡のキタサンブラックは57キロ、3歳牡のサトノダイヤモンドは55キロだった)もあったし、アニメでナイスネイチャが「10回すれば10回結果は違った」と言うようにクビ差決着でかなり競った内容だった。

 初詣では、サトノダイヤモンドが「凱旋門賞に勝てますように」と願っている。史実でも、年明けのJRA賞発表の際に陣営が凱旋門賞挑戦を表明していた。しかしそのハードルは高く、サトノダイヤモンドが「もう勝てないんじゃないかって、言われてきてすらいる」と言っていたように、史実でもこの年代は連戦連敗、前年もサトノダイヤモンドと同い年のダービー馬・マカヒキが14着に敗れていた。

 一方、ケガで戦線を離脱中のドゥラメンテはキタサンブラックに「いずれは治る。治す」と語っていたが、じつは史実ではこの時期すでに引退している。

【次ページ】 「勝ち方に一意専心したい。」の元ネタは…?

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