「いろいろな経験ができましたね。対応するのに時間は掛かりましたし、良くも悪くもたくさん失敗をしましたけど、それも踏まえて、いい1年間だったと思います」

宮﨑敏郎からのアドバイス

　肉体ばかりではなく、頭もフル回転させた。プロとして生きて行くためにはどうしたらいいのか。そんなとき助言をくれたのは、今季2度目の首位打者を獲得したベテランの宮﨑敏郎だった。

「とにかく自分の“引き出し”が欲しいと思って、宮﨑さんには、いろいろと話を訊きました。サードの守備についてはもちろん、1年目はなにを意識して過ごしていたんですかって。すると宮﨑さんは『とにかく練習もトレーニングも全部やったよ。特守や特打も毎日、とにかくやり込んだ』と。だから僕も、毎日できるかぎりのことをやるように過ごしてきました」

林と宮崎　©Nanae Suzuki

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通用した部分、しなかった部分

　練習すること、準備することの大切さ。それらを学び取りながら、この1年間を通してプロとして一番足りないと痛感したものは何だろうか。

「体力、根本的な体の強さですね。シーズン終盤、毎試合出させてもらったんですけど、序盤には感じたことのない疲労感があったんです。1年間フルで出場すると考えたら、もっと体を作っていかないとなって」

　一方で、これはプロで通用すると感じた部分はどこになるか。

「やっぱりバッティングにおける“粘り”ですね。これは自分の特徴だと思っていますし、学生時代から取り組んできたことなので、存在感は出せたかなと思っています」

開幕当初は自分を信じ切れなかった

　今季の通算成績は、65試合に出場し、141打数で打率.206、出塁率.235という数字を残している。しかし開幕してから6月までは打率は1割台半ばと低迷し、打席で粘ることはできたものの、なかなか前に打球が飛ぶことはなかった。とりあえず当てようと、ゾーンを広めにとって中途半端にバットを振っている印象だった。そう伝えると、林は頷きながら振り返った。

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