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「和田(一浩)さんと心中してやる」現役ドラフトで中日に移籍、細川成也は“ラストチャンス”に賭けた「立浪監督から言っていただいたのが…」 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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posted2023/11/18 06:03

「和田(一浩)さんと心中してやる」現役ドラフトで中日に移籍、細川成也は“ラストチャンス”に賭けた「立浪監督から言っていただいたのが…」<Number Web> photograph by Haruka Sato

昨季までDeNAに6年間在籍も通算123試合出場にとどまっていた細川。今季140試合に出場したブレークの裏側を本人が明かした

「和田さんと心中してやるぐらいの思いがありました。僕的にはもう、これでだめだったら終わりという気持ちでしたから。ベイスターズの時は何をやっていいか分からないというところまで追い込まれていたので、心機一転、とにかく全部吸収するぞと。和田さんにはすごく分かりやすく教えていただき、取り組んでいる中で感覚的にも良いものをつかめた。スイングの数をこなしていく中で、(打撃フォームも)ちょっとずつ染み付いてきてしっくり来るようになった。本当にいい出会いがあったなとあらためて思います」

バウアーさんがすごく褒めてくれたのも嬉しかった

 開幕一軍からスタートし実戦を重ねる中で少しずつ自信を積み重ねていった。4月16日の巨人戦では2安打2打点で初めて本拠地のお立ち台に上がり、5月13日のヤクルト戦では移籍後初ホームラン。中でも「一番印象に残っている」というのは5月27日、古巣・DeNAとの対戦だ。サイ・ヤング賞投手であるトレバー・バウアーから2本塁打を放った。

「1本目はスライダー、2本目はまっすぐ。あのホームランは本当に印象的でした。いいピッチャーから打てたこと、それからあの後にバウアーさんが自分の名前を挙げてすごく褒めてくれたのも嬉しかったです」

立浪和義監督の心配り

 5月は月間MVPを獲得。7月には監督推薦で初めてオールスターゲームに選ばれた。フルシーズンを戦うなかで不振に陥る時期もあったがなんとか乗り越え24本塁打を放った。一方で三振数は球団歴代最多161を記録。それでもベイスターズ時代のように三振を気にするあまりバッティングを崩すことはなかった。その陰には、立浪和義監督の心配りがあった。

【次ページ】 課題は三振の数

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