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松田宣浩が本音で語る“プロ野球界への疑問”「恵まれすぎ…野球が変わりつつある」最後の1年は巨人二軍…なぜ浅野翔吾を絶賛したのか 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byMiki Fukano

posted2023/11/13 11:03

松田宣浩が本音で語る“プロ野球界への疑問”「恵まれすぎ…野球が変わりつつある」最後の1年は巨人二軍…なぜ浅野翔吾を絶賛したのか<Number Web> photograph by Miki Fukano

今シーズン限りで現役を引退した松田宣浩がロングインタビューに応じた

「未来がある」浅野翔吾をなぜ絶賛?

 一軍からお呼びのかからないベテランは、時として“不満分子”や“腫れもの”となりチーム全体にあらゆる影響を及ぼすこともある――それが少なからず、球界の常である。しかし、こと松田においてはそんな素振りは一切なかった。ソフトバンク時代の晩年もそうだったが、「二軍でも一軍でもやることは同じ。変えること自体がおかしい。僕はそういう野球をずっと貫いてきた」という姿勢を示した。

 黒土の匂いがするジャイアンツ球場でもユニフォームを泥だらけにしながら若い選手たちと一緒に汗を流し、元気な声を張り上げた。言うまでもなく、ジャイアンツ球場ではヤングG戦士たちの教本のような存在だった。

「コーチじゃないから自分から教えることはしなかったけど、聞かれたことには18年の経験の中から伝えたりしていました」

 慕ってくる後輩の中でもドラフト1位ルーキーの浅野翔吾には「未来がある」と特に光るものを感じているという。

「年齢は22も違うけど、ジャイアンツには同期として入ったし同じ右バッター。一番、目をギラギラさせてやっていた。スマートに野球をやるタイプかなと思ったけど、もう本当に声を出して、ガツガツしたプレーをする。ああいう1年目の選手と一緒にできたのはよかったなと思います」

データ全盛の今…松田の本音

 昨今の野球は相手を研究するためのデータだけでなく、己自身のプレーを数値化したり可視化したりして科学的な見地に基づいて技術アップを図るのがトレンドだ。いわゆる「スマートな野球選手」がずいぶん増えたようにも感じる。

【次ページ】 浅野へ一言「2月1日が勝負です」

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