鎌田大地27歳「監督たちからすごく評価されている」新境地の数値「2.3」…ラツィオでの「苦しい時期」に見る伸びしろ〈CL現地取材〉

　後半アディショナルタイム、コーナーキックの流れからだった。

　前線に上がっていたラツィオのGKプロヴェデルによるヘディングシュートが、アトレティコ・マドリーが守り続けてきたゴールに突き刺さり、土壇場で同点に。これでスタジアムの歓声は爆発した。2020-21シーズン以来となるチャンピオンズリーグ（CL）の舞台、スタディオ・オリンピコに詰めかけた人たち誰もが待ち焦がれていたのがわかる瞬間だった。

　CL、いやリーグ戦などでもめったに見られないゴールキーパーによるゴールで1－1の同点に持ち込んだスタジアムの興奮は、試合後にも冷めやらなかった。何しろ、サポーターの陣取るスタンドで、ラツィオの選手たちによって殊勲のプロヴェデルの胴上げが行われたほどなのだから。

勝ち点1ながら、殊勲のプロヴェデルが胴上げされるなどオリンピコは優勝したかのような大騒ぎ　©Getty Images

すべての写真を見る（83枚）

鎌田「難しい試合になったけど、勝ち点1を取れたのは…」

 〈4-1-4-1〉の右のインサイドハーフとして先発した鎌田大地は、こう振り返った。

「アトレティコとの試合なのでボールを保持していても、チャンスを作るのは簡単ではないだろうなと思っていたなかで、先に失点してしまって。より難しい試合になったなという感じではありました。だけど、勝ち点1を取れたのは、自分たちにとってはすごく大きかったのかなと思います」

　前半のラツィオはホームの勢いをそのままにボールを握り、アトレティコを押し込んでいった。そこからはリーグ戦での不調は感じられない。

　前半の支配率とシュート数（＊カッコ内は枠内シュート数）は以下のようになる。

　ラツィオ：56％／アトレティコ 44％
　ラツィオ：6（2）本／アトレティコ：2（1）本

　しかし、そのアトレティコの枠内に飛んだ唯一のシュートであるバリオスの一撃は、ブロックしようとした鎌田の足にあたってコースが変わり、ゴールに吸い込まれていた。

　こうして、前半の試合内容とは趣が異なる0－1というスコアで後半を迎えた。

試合巧者アトレティコが戦い方を修正した

　ただ後半になると、3度のCL決勝進出経験のあるアトレティコが、選手交代も含めて戦い方を修正した。

【次ページ】　鎌田のパフォーマンスはどうだったのか